tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

ビットコイン雑感

2014年03月03日 12時59分38秒 | 経済
ビットコイン雑感
 ビットコインなるものが結構流通しているというのは聞いていましたが、今回マウントゴックスの事件が起こって改めてその流通の広がり、したがってその問題の大きさに驚きました。

 以前、セカンドライフという仮想世界にアバターを作り、そこで生活するというのがマスコミに乗り、そこではリンデン$という通貨が使われていて、US$との交換レートもあるといった話を聞いて、そんなプログラムをだれがどうやって作るのだろうと思ったことがありましたが、ビットコインもリンデン$程度のものと思っていました。

 ビットコインの方は、通貨だけの話ですが、その価値は大変な投機の対象になっていたようです。麻生金融相は「いずれ破綻すると思っていた」というようなことを言われていたようですが、本気でビットコインを使ったりビットコインに投資したりする人が世界中に沢山いたというのは、また大きな驚きでした。

 紙幣なら手にすることもでき、発行元の中央銀行もありますが、ネット上にしかないビットコインが何故そんなにまともに扱われるのかと思ったら、ビットコインは本来貨幣というより貴金属の「金」をモデルにしていたようで、その採掘に厳しい枠がはめられているようです。ネット上で「金」に類似のもが出来れば、通貨に使っても十分な価値が期待できる、という構想のように感じられました。

 案の定、管理貨幣である紙幣の価値が不安定(インフレや為替変動)な世の中です、ビットコインの価値は暴騰し、当然投機筋がいるわけですから、暴落にもつながります。
 現実の管理通貨でも投機の対象になります。「金」を模していれば投機の対象になるのは当然ですが、今回のMt.Goxの事件は、いわば金庫破りでしょうか。

 現実世界なら、金庫は破られないように頑丈に作ってあるでしょうし、破られれば物理的に現場を見ることが出来ます。
 しかしネットの世界では、物理的な形がありませんし鼠小僧やアルセーヌ・ルパンよりも解りにくいハッカーという輩がいるわけです。
 現物でない「金」は常にその脅威に曝されています。能く防ぎうるのでしょうか。

 マウントゴックスのCEO氏があまりに堂々としていて、まったく臆せず、会社更生法でなく民事再生法申請ですから、再建可能ということなのでしょうか。
 ネットの世界ですから、我々には全く見えません。世界中には、この試練に耐えてビットコインは存続するという意見も沢山あるようです。

 結末は知る由もありませんが、こうしたものが信用され利用される背景には、今の通貨制度、金融制度があまりにも不安定で、使い勝手も悪いなど、いろいろと問題点があるようにも思えます。IMFや金融機関などのシステムがこの事件から学習することもあるのではないでしょうか。


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